こんにちは、ちびパパナースマンです。
さっそくですが、この記事の信頼性を担保するものを簡単に下記に示します。
- 看護師歴:15年
- 認定レシピエント移植コーディネーター歴:5年以上(専従)
こんな感じで毎日精進していますので、それなりに信頼性はあるかなぁと思います。
▶︎さて今回はですね、移植コーディネーターの背景についてお話していきたいと思います\( ˆoˆ )/
▶︎なぜ背景のお話をするのかと言いますと、何事においても現在を語るには、歴史や背景を知ることから始め、そこから今の矛盾や未来への活眼を磨いていくことが大切だと考えるからです。
▶︎温故知新の精神です。
▶︎まずは、僕たち日本人の移植コーディネーターの背景のお話に入るまえに、欧米でのコーディネーターの背景についてお話ししていきます。
1.世界の移植コーディネーター
1)米国のクリニカルコーディネーター
(1)背景
✅移植コーディネーターは、移植医療の進んだ米国で自然発生的に生まれた専門職であります。
✅当初は、移植コーディネーターという名称もなく、煩雑な移植医療の事務仕事を一手に引き受け、人手不足を穴埋めするような形で始まったとされています。
✅移植医療が発展し始めた1980年代は、看護教育が4年生大学化した時代でもあり、ちょうど臨床現場で看護の専門性が問われるようになってきた時代でした。
✅看護の様々な分野で、Clinical Nurse Specialist(CNS=臨床看護専門家)が活動にあわせて、看護の専門職として認知されるようになりました。
✅そのため米国では、「臨床の」と言う意味の「クリニカル」という言葉を用いたことから、以降、「クリニカル移植コーディネーター」という名称が用いられています。
(一方、日本でいうドナーコーディネーターは、「プロキュアメント移植コーディネーター」と呼ばれています。)
✅以前は、クリティカル移植コーディネーターは、一人あたり200人から300人ほどのレシピエントを担当し、移植前から移植後までケアをしていました。
✅最近では、様々なクリニカル移植コーディネーターが存在し機能別に活動している施設が多いです。
✅症例数の多い施設では、データー管理だけを担うデータ管理移植コーディネーターや生体部分肝移植を行っている施設では、生体ドナー移植コーディネーターを設置しています。
う、うらやましい・・・・(心の声洩れた)
(2)認定制度
✅クリニカル移植コーディネーターは、アメリカ独自の認定組織であるAmerican board for Transplant Certification(ABTC)により認定を受けています。
✅この認定は更新が必要になります。
✅各移植施設は、この認定を受けたクリニカル移植コーディネーターを雇用するように各州から指導をうけています。
✅アメリカでは、クリニカル移植コーディネーターの認定を受ければ「雇用」が保証されることになります。
日本はまだまだ遅れてるなぁ・・・(ここでまた心の声が....)
2)ヨーロッパ諸国のクリニカル移植コーディネーター
(1)背景
✅ヨーロッパでも米国と同じように、ドナー移植コーディネーターは「プロキュアメント移植コーディネーター」と呼ばれています。
✅レシピエント移植コーディネーターも「クリニカル移植コーディネーター」と呼ばれています。
✅ヨーロッパで移植コーディネーターとして活動しているうちの70%以上が、ドナー移植コーディネーターであり、そのうち約10%がドナー移植コーディネーターとクリニカル移植コーディネーターの両方を担っています。
✅そして約5%のコーディネーターが、クリニカル移植コーディネーターとして活動しています。
(2)教育制度
✅移植コーディネーターの研修教育としては、ほとんどの国(50%以上)が、スペインで開発されたかなり集中的な教育プログラム、「Transplants Procurement Management(TPM)」を基盤としていました。
✅またヨーロッパの中でも、英国のレシピエント移植コーディネーターは少し事情が異なっております。
✅移植施設でクリニカル移植コーディネーターが活動していますが、2004年のNurse Managementという雑誌によると、National Health Service(NHS)の指導で、看護の中で特に4つの専門領域で「移植コンサルタントナース」という専門職が設置されました。
✅その4つの専門看護領域とは、『心臓病患者看護』『救急看護』『膿疱性線維症患者看護』『移植患者看護』です。
✅この移植コンサルタントナースは、レシピエント術前から術後まで継続してケアを施し、そのベットサイドでリーダーシップをとって直接的看護にあたる役割を担います。
2.日本のレシピエント移植コーディネーター
背景
✅レシピエント移植コーディネーターの活動が本格的に始動したのは、1989年から始まった生体部分肝移植の件数が急増した1990年代の終わり頃でした。
✅まずは、京都大学、信州大学、北海道大学、北里大学、慶應義塾大学などの肝移植施設で、米国と同様に看護師資格を持つレシピエントコーディネーターが活動し始めました。
✅以後、1999年に日本で初めての脳死移植が行われてから、大阪大学、東北大学、岡山大学などの心臓移植施設や肺移植施設でも設置されるようになりました。
✅日本移植コーディネーター協議会(Japan transplant Coordinators Organization JATCO)は、日本における臓器移植の進歩普及に寄与することを目的とし、ドナー移植コーディネーター・レシピエント移植コーディネーター・院内コーディネーターが共存・相互理解を深めながら、移植コーディネーターとしての学術・研究・教育研修などを行う唯一の団体です。
⬜️日本の認定制度の詳細は、また別の機会に記事にしますm(_ _)m
✅いかがだったでしょうか?何かご自身が思ってた移植コーディネーター像と違うところはあったでしょうか?
✅何れにせよ、どんなふうにでも、何かを感じてくれたら幸いです!
✅良い印象、悪い印象、その他...。"無関心"から"ほんの少しの関心"へと気持ちが動いてくれることを願って止みません。
(注:ブログの情報は最新のものと相違があるかもしれませんこと、ご了承ください。)
潜在看護師の背景や現状についての記事はこちらです。
僕の好きなサッカーの話題で最後はほっこりしてください(^^)
さらに、欧米の話につながりますが、こちらのページでようーロッパサッカーのお話が詳しく書かれています。
ぜひ、リラックスのお供としてご視聴ください!
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