移植医療専門パパナースマンblog

認定レシピエント移植コーディネーターの僕が、臓器移植に関する正確な情報をできる限りわかりやすく橋渡しします。時々、家族やサッカー雑記など。

『移植医療』の歴史を語ろう【その1】

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こんにちは、ちびパパナースマンです。

さっそくですが、この記事の信頼性を担保するものを簡単に下記に示します。

  • 看護師歴:15年
  • 認定レシピエント移植コーディネーター歴:5年以上(専従)

こんな感じで毎日精進していますので、それなりに信頼性はあるかなぁと思います。

 

 

さて今回は、

『移植医療』の歴史を語ろう【その1】です

なぜ移植医療の歴史について語るのか

・温故知新。

・これからも、移植医療についてたくさんの記事を書いていく者としては、やっぱりできる限り早期に歴史について語っておかないと先へ進めないなぁ〜と思っています。

・ていうか、先に進んでいったとしても歴史が語られていなければ、それはなんだか薄っぺらい情報に繋がるとも思ったからです。

・それに、移植医療従事者でも目の前に必死で、じっくり歴史に関して勉強する人は少ないと思います(これはアカン)。 

・僕たちでもそうなのに、日常で移植医療と関わることのない方々に向かって、『臓器提供意思表示カード』の普及ばかり伝えてるような印象が強いのはアカンと思うからです。

・もちろん、「あんまり興味もないし『移植医療の歴史』に関する書物なんて読む気ないわ〜〜」ってのは当然です。

・ですので、需要が少ないことは承知のうえです!( ˆoˆ )/

・だけど、いつかどこかで『移植医療』の歴史をパッと知りたいと考えた時に(そんな時あるのか?とか言わない言わない...笑)、簡単に書かれた資料ってあまりないんですよねぇ〜。

・だったら僕がってことで、ここに超簡単に記そうと思いましたm(_ _)m 

(今後、追加修正していく可能性の高い記事になると思います。)

・それから歴史においてはですねぇ、やや表現がきつい部分もありますので、そういったところは歴史を歪ませない範囲で、優しい表現を用いながらお伝えしていこうと思います。

 

では語ります。 

はじめに

・移植医療は、不全あるいは欠損した体の部位を、他者の臓器や組織で置き換える医療です。

・紀元前400年に、ワンちゃん(🐶)による鼻から耳にかけて欠損したヒトに、自家皮膚を移植したと記載された書物がある。また、その書物には金属の義足を移植した患者についての記載もあります。

 

近代の移植医療

 ・1668年:Job van Meenerenがオランダで、ワンチャン(🐶)からヒトに移植した症例が、異種移植ながら世界初の成功例として記録されています。

・1822年:BurgerがAutograftでの皮膚移植を実施しました。

・1881年:Allograftでお亡くなりになられた方より提供された組織の移植が活発となりました。

 

臓器の移植に関して

・1906年:フランスで豚さん(🐷)の腎臓を、1909年にはドイツで初めて霊長類の腎臓をヒトに移植した異種移植症例が報告されています.....ですがこれらはすべて生着する事はありませんでした(涙)。

・1926年:ラムちゃん(🐏)の腎臓をヒトに移植したが、残念なことに9日後に患者さんはお亡くなりになりました。

 

初めての腎移植に関して(2つの説があります)

 ・説その1:1950年、Lawlerが実施したお亡くなりになられたからの腎移植で9ヶ月間の生着という報告があります。

・説その2:1952年、Hamburgerらが交通事故でお亡くなりになられた女性から、その息子さんへの腎移植を行い息子さんへ腎移植を行い、22日間生着したという報告があります。

→いずれも世界初として紹介されています。(どっちがどうなんだろう?)

 

心臓移植に関して

・1967年:南アフリカ共和国ケープタウンのGroote Schur病院にて、Dr.Christiaan Barnardが実施した18歳の交通事故でお亡くなりになられた女性から提供された心臓を移植した症例が世界初となっています。

 

本格的な臓器移植の時代へ

・本格的な臓器移植は、脳死下での臓器提供が1980年代になり免疫抑制剤の発展とともに普及していきました。

・1991年:世界保健機構(WHO)で、臓器移植のガイドライン(Guiding Primciple)が制定され、多くの国で臓器移植に関する法律が制定されました。

 

日本では・・・

・わが国においても例外ではなく、1996年に臓器の移植に関する法律が国会で度重なる廃案の後にようやく制定され翌1997年に施行されました。これが臓器移植法です。

・その後、脳死下での臓器提供では本邦の本人直筆の意思表示の提示義務、15歳未満の意思表示が不可欠であることなどにより、他国に比べて極端に提供数が少ない状態となりました。

・さらに、渡航移植に関しても国際的な非難が高まっていることなどから、早期の法改正による正常化が求められ、2009年7月、改正臓器移植法が可決され2010年7月に施行されました。

 

 

移植医療に関する大きな出来事

★1912年、Alexis Carrel博士は血管吻合および血管と臓器の移植に関する研究で、ノーベル生理学・医学賞を受賞しました

・1954年、Joseph MurrayとJ. Hartwell Harrison はボストンのピーター・ベント・ブリガム病院(ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の前身)にて、最初の腎移植に成功した。移植される腎臓は患者の一卵性双生児が提供した。他の何人かの外科医が後に続いた。1960年代、アザチオプリン等の免疫抑制剤の開発により、マレーは一卵性双生児以外の、無関係なドナーからの移植を可能としました。

その後、Joseph Murrayは、「人間の病気治療に関する臓器および細胞移植の研究」により、1990年にエドワード・ドナル・トーマスと共にノーベル生理学・医学賞を受賞

 

 

まとめ(近々【その2】へ続きますm(_ _)m)

※なんとなくでOKですので、「あぁ、そんなふうに進歩してきてんねや〜」って感じてもらえたら幸いですm(_ _)m

※移植医療に関しては、一人ひとりが常に立ち止まって考える医療だと思っています。

※どんな考えも、平等に尊重される権利があります。【4つの権利】

※この医療に携わるものとしてブログを通してお伝えしたいことは、『無関心』から『関心』へのお手伝いです(お節介バンザーーーーイ!です 笑)。

 

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